「ままねの湯」は、湯河原温泉の中でも、最も古い温泉街にあります。アーケードをくぐると、タイムスリップしたような、うらさびれた空間です。
人気のない道を少し歩くと電柱に、「ままねの湯」の案内板が。さらに細い路地に入っていくと…
突き当たりに見つけました。これはなかなか見つけにくい!今でも、湯治宿としてお客さまを迎えていますが、日帰り入浴される、地元の方が多いようです。風呂桶をもったおばあちゃんおじいちゃんが、途絶えることなく、訪れていました。では私も、さっそく!
古木戸を開けると、これは建物の匂い?それとも温泉の匂い?独特な匂いがします。少し気圧されながらも、レトロなタイル階段を降りて、半地下へ。
料金は、男性用の脱衣所においてある箱に、200円を。女性は、のれんの裾から手を伸ばして、お金を入れます。
脱衣所はいたってシンプルで、狭い。ささっと脱いで、中へ…入ろうとすると、地元のおばあちゃんに呼び止められました。「ここはしっかり体を洗わないといけないよ。石鹸もった?」。
詳しく聞くと、暗黙の入浴ルールがあるようです。ここ「ままねの湯」は、源泉掛け流しだが、温泉の量は少ないため、必然、溜まり湯に。まず入る前に、しっかり石鹸で体を洗い、清潔にすることが大事だそうです。
また激熱な湯温を保つため、むやみやたらな加水は厳禁。「入浴前に、風呂桶にお湯を溜めて冷ましておくと、あとあと便利だよ」と、地元の方が親切に教えてくれました。
さあ、体をキレイにして、いざ入浴。つま先を入れると…熱さにピリッと、私の全神経が警戒している!うおおおお、これは噂通り!地元の方に、「大丈夫、火傷しないから(笑)」と後押しされる。
ぐっと我慢して再トライ。湯に体を沈める。もう呼吸も止まるくらいの熱さ。熱すぎて、熱すぎて、身動きがとれず、じっと目をつぶって、波をたてないよう、押し黙る。全身の力を抜くことができない〜。
湯をはかる温度計は、驚愕の46度。少し緑がかった白濁湯に、皆さん、体を真っ赤にしながら、何度も出たり入ったりを繰り返して、効能を得ています。
さすが、「医者に見放された皮膚病も治す」と言われる霊泉「ままねの湯」。どんなアトピーも火傷も治してしまうとか。肌触りはサッパリとしています。
1時間くらい、私も出たり入ったりしていたら、地元の方に、「あんたすごいよ、偉いよ、初めてなのにこんなに浸かって!」とお褒めの言葉をいただきました(そのおばあちゃんは、激熱温泉に全身を泳がせておりました、さすがです…)。しかしこのピリつく熱さ、少しクセになりそうです☆