房総半島の先端近く。館山駅を降りて、さらにバスで30分以上走ると、海沿いの道から、一変して、畑、田んぼ、山の景色に変わってきます。
ぐっと切ない気持ちを引き起こす、郷愁を誘う景色。廃校になった学校前のバス停を降りて、さらに15分ほど歩くと、南房総白浜温泉です。
千葉って、そそられる温泉が少ないな…と思っていたのですが、謝ります。緑豊かな里山で、自然の生き物たちの声を聞いたら、心がすっかり洗われました。
2016年07月11日
千葉県(関東/中部)
房総半島の先端近く。館山駅を降りて、さらにバスで30分以上走ると、海沿いの道から、一変して、畑、田んぼ、山の景色に変わってきます。
ぐっと切ない気持ちを引き起こす、郷愁を誘う景色。廃校になった学校前のバス停を降りて、さらに15分ほど歩くと、南房総白浜温泉です。
こんもりと緑が深く茂る山を背に、林景荘は立っています。こじんまりとしたロビーに、お部屋は6室。食事処の広間が一つに、内湯が一つ。かってのいいお宿です。家族経営の宿らしいなじみよさがあって、スッと肩の力が抜けます。
山の緑が、窓を抜けて、廊下や壁に反射するほど、生き生きとしています。お部屋もシンプル☆大きな窓が、気持ちがいい。
特筆すべきは、止むことなく、自然の生き物たちの声が聞こえること。蛙、鈴虫、ひぐらし、小鳥。人工的な音は、いっさい聞こえません。この環境が、どれほど贅沢なことか。荒ぶっていた神経が、静まっていくのが分かります☆
林景層には、男女別に、こじんまりとした内湯が一つずつ(時間制で交換)。宿泊客も少ないので、比較的、独占湯☆本音を言うと、「露天はないのか〜」なんて、残念に思っていたのですが…ごめんなさい。最高です。
窓を開け放つと、澄んだ空気が流れこみ、半露天のような開放感があります。さらにここでも、虫や小鳥の声を聞きながら、温泉につかれるなんて、贅沢なお一人さま時間です☆
茶褐色の湯は、舐めると、しょっぱさと苦さが入り交じって、複雑な味。とびきり熱いわけではないけれど、体がポカポカしてくる塩化物泉です。
お湯からあがっても、長いこと体はポカポカ、汗が流れるほど。寝る前にも入ったら、心なしか、目覚めがスッキリ、疲れが抜けたような!やっぱり、温泉って体にいいのよ!
コテコテの味付けも、ギラギラな装飾も、ここでは不必要!南房総のアジの刺身、トビウオのなめろう、アワビを始め、貝柱のてんぷら、金目の煮付け、かぼちゃの煮付け、そして、やさしい卵とじ。
外食の多い人には、とくに贅沢な夕餉だと思います。白いご飯が、また、うまかった☆寝るときは、部屋の窓を少し開けて、生き物たちの声に耳をすませながら、眠りました。贅沢☆贅沢☆
まあ、人間なんでね。素朴な家庭料理に癒されながら、ラーメンも食べたくなるわけで(笑。上総湊駅を降りて、竹岡ラーメンの創業店に足を運びました。
パッと見は濃いのですが、見た目とは違い、割とサッパリな醤油ラーメンです。少し香ばしさを感じる、独特な味わいのスープに、細縮れ麺。分厚いチャーシューがまた、旨い!満足☆満足☆
自然の生き物の声とポカポカ温泉に、芯から癒されて帰ってきました。絶景や、手のこんだ料理はないけれど、それがまた素晴らしいと感じさせてくれる、本当にいいお宿でした。リピーターの方が多いのも、うなずけます。一度宿泊したら、虜になりますよ。お一人さま的にも、居心地のよさ、抜群です☆
●住所 千葉県南房総市白浜町滝口2542
●電話 0470ー38ー2831
【電車アクセス】
①東京→(京葉線)→②蘇我→(内房線)→③館山→(安房白浜行きバス約30分)→坊田→(送迎車5分)→林景荘