お一人さま温泉旅

トンネルの先で生まれ変わる。/奥津温泉「東和楼」 – お一人さま温泉旅

トンネルの先で生まれ変わる。/奥津温泉「東和楼」

温泉教授・松田忠徳の著書「日本百名湯」によると、奥津温泉の中でも、宿を選ぶなら「東和楼」と記しています。その理由は、足元から湧き続ける自噴泉、その質です☆

2016年08月21日
岡山県(近畿/中国)

メイン温泉写真

今回の旅先

岡山の美作三大温泉の一つ。奥津温泉。

津山駅を出発し、バスに揺られること1時間強。ぐんぐん山奥を進み、養蜂場の看板を超え、さらに吉井川を渡ると、ようやく奥津温泉街にたどり着きます。

奥津温泉「東和楼」

奥津温泉「東和楼」

温泉街は、さほど奥行きもなく、俗化されきっていない山裾の生活圏の中に、旅館が三軒、民宿がチラホラ。しかしその湯は、江戸時代、津山藩主のお殿さまが、奥津に別荘を建てさせたほどの名湯なのです。

奥津温泉「東和楼」

奥津温泉「東和楼」

本日のお宿

ただよう廃墟感に、一瞬たじろぐ。「東和楼」。

失礼なタイトルで申しわけありません!じつは当初、東和楼さんに宿泊をお願いするつもりでいたのですが、予約電話の際…、

奥津温泉「東和楼」

「一名、宿泊をお願いしたいのですが」

「あなた、一人で泊まるの?」

「はい、一人でも大丈夫ですか?」

「いいけど…本当に一人で泊まるの?」

「え、あ、ダメですか?」

「うーん、よく考えてごらん」

なんだか気になって…勇気がもてず、結果、日帰り温泉にしたんです。当日、お宿の雰囲気を見て、ちょっと納得。創業昭和3年の木造建築は、年季の入った重厚感が素敵なのですが、中はひっそり薄暗く、確かに私一人での宿泊は、夜、怖かったかもしれません。男だったらなぁと思う瞬間です(苦笑。

奥津温泉「東和楼」

受付をしてくれた女将さんは、あたたかく迎えてくれました。しかも、前情報として、自噴泉は男湯だけと聞いていたので、「誰もいなければ、次の方がいらっしゃるまで入らせてもらえませんか?」とお伺いしたところ、了承してくださいました!さっそく入浴料800円を支払って、出陣です☆

温泉の紹介

魂がふるえる!脈打つように沸きでる自噴泉。

受付を通り過ぎて、階下へ。入り口の木造とは違う雰囲気に、ソワソワします。

奥津温泉「東和楼」

奥津温泉「東和楼」

この白壁のトンネル。暗がりの先にある大きな鏡が、なんだか不気味です(苦笑)。しかしここを乗り越えなければ、最高の温泉にはたどり着きません。

奥津温泉「東和楼」

奥津温泉「東和楼」

脱衣所は狭く、清潔ではありますが、お世辞にも近代的とは言えません。それがまた、隠された名湯への期待を高ぶらせます!

奥津温泉「東和楼」

奥津温泉「東和楼」

高めに設置された窓からの光を受けて、ラムネ色に波打つ温泉がお目見え!岩盤をそのまま浴槽に用いているのが、特徴的です。深さは、立ち湯ほどもありますが、透明度が高いため、底にある岩のゴツゴツがハッキリ見えます。

奥津温泉「東和楼」

体をゆっくり沈めると、お湯のやわらかさに、全神経を奪われます。角がまったくなく、やさしく、体全体を包みこむ、まるで羊水のよう。源泉は、約40度あるかないか。加温することも加水することもなく、絶えず足元からトクトクトクトクと、直に天然湯が湧き続けています。

奥津温泉「東和楼」

奥津温泉「東和楼」

はじめての経験に、一人テンションが上がったり、魂を抜かれたようにふにゃふにゃと骨抜きになったり。人の手が、一切加えられていない自然の神秘に浸かるなんて、改めて考えると大胆な行為です。(ちなみに女性風呂は下記。男風呂から湯を引いています)。

奥津温泉「東和楼」

じつは今回、お隣の奥津荘さんの温泉、般若寺温泉さんと、他にも2つの奥津温泉を堪能したのですが、個人的には、ダントツ東和楼さんの湯質がいちばんだと思いました。異物感がまったくない、私の体内の水と、温泉が、同じ物質でできていて、溶けて混ざりあっていくような錯覚…。湯上がり後は、なんだか生まれ変わった気分でした。

奥津温泉「東和楼」

注目グルメ

桃太郎さんくださいな☆「山方永寿堂きびだんご」。

岡山名物のお菓子といえば、きびだんごです☆江戸時代末期に考案された餅菓子で、明治時代になってから、「桃太郎のきびだんご」として販売されるようになりました。こちらは、専門店・山方永寿堂さんのお土産品。可愛いパッケージに、つい手がのびてしまいました(笑)。

きびだんご

まとめ

羊水のような温泉で、生まれ変わる体験を!

湯質にこだわる方に、ぜひ味わってほしい温泉と言えます。女性一人は、混浴とはまた違うハードルがありますが、女将さんがとても親切な方なので、安心して立ち寄ってみてください。他では味わえない温泉体験が待っています☆

宿泊料金・アクセス方法

新大阪駅から、電車とバスで約3時間半。

【奥津温泉「東和楼」】

●日帰り温泉 営業時間10時〜15時

●料金 一人800円

●電話 0868−52−0031

【電車・バスアクセス】

①新大阪→(JR山陽新幹線のぞみ)→②岡山駅→(JR津山線)→③津山駅→(奥津温泉行きバス約1時間→④奥津温泉下車 目の前

関連記事

関連記事写真

休憩スペース、国宝級。/「北白川不動温泉」

関連記事写真

お殿様に愛された。/奥津温泉「奥津荘」

関連記事写真

キュンとする絶景露天。/はぎ温泉「萩観光ホテル」

関連記事写真

レトロネオンの郷愁。/長門湯本温泉「恩湯」